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旧庄内藩主酒井家の有職雛

 華やかなお雛さまは、日本の女性ならば誰でも一度は憧れる人形でしょう。もしかすると単なる人形以上の存在かもしれません。家族愛のシンボルのようなもので、またその家庭の歴史であるともいえます。ルーツは、平安時代の「形代<かたしろ>」信仰といわれ、その後流し雛や貴族の人形遊びなど様々な要素が絡み合い、長い時間の中で生成されて歴史的な行事となりました。長い間守られてきたその背景にあるものは、子の健やかな成長を祈り平和を願う家族の愛であり、心そのものです。雛祭りは、日本人が長い年月をかけて育ててきた世界にも稀な美しい風習です。

 この麗しい風習はもともと貴族の生活から発生したものですから、当初は公家や武家の間だけで行なわれていましたが、泰平の世を謳歌した江戸時代になると、流行の中心が江戸の商人たちに移りやがて全国に広がっていきました。この時代には、有職故実に基づいた有職雛が作られたり派手な古今雛が流行したりと、その時代背景や時々の空気に合わせて様々なタイプの雛人形が作られています。今や全国各地で独自の雛祭が展開され雛人形を鑑賞することが可能ですが、江戸時代に隆盛を極めたこうした様々な雛人形の名品を、地域のそこかしこで堪能できるのが山形県の大きな特徴です。

 山形県は、雛人形の数や質において他を圧倒するものがあり、県内各地に歴史の重みを感じさせる年代ものの雛人形が残っているという全国的にも稀有な地域となっています。それはここ山形が紅花の一大産地であり、紅花の交易によってもたらされた富の象徴の一つが「お雛さま」だったからです。「お雛さま」は一世を風靡した紅花・北前船交易の賜であり、遠く都から離れた出羽の地に京や江戸から運ばれた多種多様な雛人形が残っているのは、この紅花の存在なくしてはありえないことだったのです。

 紅花は、現在山形の県の花に指定されています。やまがたのお雛さまは、この高級染料であった最上紅花がお雛さまの衣装の染めに使われて、やがてやまがたに里帰りするという、まさにやまがた紅花の物語でもあるのです。

マップ 置賜地域 村山地域 最上地域 庄内地域 村上市

やまがたとお雛さまの縁を紹介しています。紅花や北前船との関わりについて簡単に解説。

「ひな祭り」の起源や歴史を解説。年代別に様々な特徴を持つお雛さまも写真入りで解説しています。

東北でいち早く地域の雛祭りを提唱した河北町谷地地区の雛の名品と、庄内のお殿様秘蔵の逸品、豪商の名品をご紹介します。

庄内お雛さまは、あらゆる年代、あらゆる種類のお雛さまの鑑賞が可能です。村上市の町屋の人形巡りはそぞろ歩きもまた楽しいひととき。

おきたま雛回廊”と銘打って設定されたコースがあります。コースのところどころにお立ち寄り処があり、雛散策の休憩も楽しくなります。

紅花で財をなした豪商・豪農の華麗なお雛さまが特徴です。“みちのくひなまつり”発祥の河北町では、紅花とお雛さまの関係も勉強できます。

最上川舟運によってもたらされた豪華な雛人形を、商店街のあちこちで簡単に鑑賞できます。ひと声かけて見られる気安さが売りものです。

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