引っ掛け漁法

越後荒川

夜間のヤス突きが行なわれていました。碇(いかり)を挿して船を流れに止め、遡上してくる鮭を突くために船の先端でカンテラを腰に下げて水面を照らし、寄ってくる鮭を突いて捕りました。光が届く範囲であれば光の屈折を考えなくても、直接鮭の頭をねらって突くことができます。

三面川、信濃川河口付近

ノメリツキ漁という遡上を待つ鮭を突く漁法がありました。川の水に体を慣らしている鮭はしばらくの間河口で停滞しています。ここに川舟を出して突いて捕っていた古老の話によると、鮭の逃げる方向と船の進行方向が同じである場合は、突いても尻尾に当たる程度で、逃げられることが多かったといいます。
むしろ、船に向かってくる形の鮭の頭部をねらったほうが成功率が高かったそうです。このときに使ったヤスは、四本ヤスの頭に笠ヤスがはまるもので、一度魚体にあたれば絶対抜けなかったそうです。

居繰り網漁法

三面川の居繰り網漁
三面川の居繰り網漁

居繰(いぐ)り網漁法とは・・・二艘の川舟の間に網を張って川を下り、遡上してくる鮭を網ですくう漁法のことです。
この漁法は海のトロール漁業の先駆といわれております。

越後荒川では中流域を中心にこの漁法がとられました。居繰り網漁でもっとも鮭が捕れる時間帯は日没後と夜明け前であったといわれており、この時間帯に網を流すことが多かったようです。遡上数の多い河口部の漁場では、時間帯を区切り、昼は地引き網、夜は居繰り網にするところもありました。

三面川では自然産卵・ふ化の場所としてもうけた種川の上流部に柵をもうけて、ここから上流に鮭が遡上しないようにしておき、下流から種川に入ってくる鮭をどんどん追い込んだ後、下流も柵でしめ切ります。やがて、この中の鮭はここで産卵します。このあと、鮭を捕るために川舟二艘の間に居繰り網を張って上の柵から下の柵まで船を流しながら鮭をすくいとります。産卵・射精直後の鮭が大量に捕獲され、5日に一度はこの方法がとられていました。

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