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酒田~村上
ルートマップ


村上
 旧暦27日、温海の鈴木所左ェ門宅を出発した芭蕉は、馬で鼠ヶ関から越後路に向かいます。途中、中村(現山北町北中)で一泊し、さらに翌日村上に向かいます。村上では大和屋九衛門宅に泊ります。ここでは都合2泊しますが、残念ながら句を残していません。
芭蕉は「奥の細道」の越後路を「暑湿の労に神をなやまし病おこりて事をしるさず」と書いていますが、村上でも二泊する間に多くの人々と交遊したようです。
 村上に二泊したのは、曽良に深い理由があったと言われています。曽良は、芭蕉に仕えるようになる以前は伊勢長嶋藩主松平良尚侯に仕えて、岩波庄右衛門正字と名乗っていました。松平良尚の三男良兼が貞享四(1687年)年八月、村上で没したことを聞いた曽良は、丁度村上を訪ねたこの年(1689年)が良兼の三回忌に当たるので良兼のお墓参りをしたいと願っていたと思われます。6月28日(新暦8月12日)朝、山北町北中を出立した芭蕉と曽良は、途中大雨にたたられながら蒲萄峠を越え、夕方村上に着きました。曽良はすぐ良兼の子榊原帯刀公の邸に挨拶に参上して、一燈公(良兼の法名)のお墓参りを願い出、翌二十九日お参りをしたようです。実は一燈公は芭蕉の俳諧の知友でもあり、これを縁に帯刀公から金百疋贈られています。
 この日二時頃、宿主の案内で瀬波へ向かいます。佐渡の遠景を心ゆくまで楽しんだようですが、後日出雲崎で詠んだ“荒海や 佐渡に横たふ 天の川”の句は、この瀬波の浜で佐渡を眺めたときの感慨も合わせてまとめたもののようです。


歩こう
 村上市は、新潟県北部の中心地として栄えてきた村上藩の城下町です。芭蕉が訪れた頃は榊原氏が治める15万石の越後一の大藩で、たいそうな賑わいの街だったようです。今でもそうした城下町の面影が、市街地の路地や町名に色濃く残っています。三面川の鮭は余りに有名ですが、お茶の北限地(村上茶)としても、また村上堆朱の街としてもよく知られています。村上城址を中心とした街区が城下町風情を楽しむには最適で、近郊には瀬波温泉という名湯もあり、一度は訪れたい都市です。旧藩名残の町屋で開催される「人形さま巡り」は鶴岡、酒田のお雛さま巡りと同様、北前船の繁栄を今に伝える必見の早春イベントです。


ドライブルート
鶴岡 車 温海温泉 車 村上
国道7号線
25km 30分
国道7号線
50km 60分


石船神社
■石船神社(いわふねじんじゃ)
“花咲いて 七日鶴見る 麓かな”の句碑があります。
アクセス
  JR羽越線村上駅から約10分

イヨボヤ会館
■イヨボヤ会館
村上は平安の昔から鮭の街、村上の鮭文化を伝える博物館です。
URL: http://www.iwafune.ne.jp/~iyoboya/top_right.html
アクセス
  JR羽越線村上駅から約5分

瀬波温泉
■瀬波温泉
明治37年開湯の日本海に面した風情豊かな温泉
アクセス
  JR羽越線村上駅から約10分

村上堆主朱
■村上堆朱
600年の歴史を誇る匠の技。市を代表する工芸品です。
アクセス
  JR羽越線村上駅から約10分

村上観光協会URL:http://www.mu-cci.or.jp/kanko/
村上市URL:http://www.city.murakami.niigata.jp/


ちょっとお勉強
 江戸時代、鮭は村上藩の重要な事業であり主要財源の一つでした。藩の下級武士である青砥武平治が発見した「鮭の回帰性」により、三面川を鮭の自然孵化増殖の川として発展させてきました。明治11年には、さらに人工孵化増殖にも成功し、名実ともに鮭の街としてその文化を誇っています。


ちょっと一服
羽越本線電車の旅「きらきらうえつ」をご利用下さい
 JR新潟駅から村上、鶴岡、酒田、秋田県象潟駅まで、日本海の景色いいとこどりの電車が走っています。各停車駅にはそれぞれ豊富な見どころ、体験、食などがまとめられていて、電車自体も楽しめるよう展望デッキなど色々な工夫が凝らされています。芭蕉もこれに乗っていたらすごい句を詠んだかも。ぜひ一度ご試乗あれ。
詳細情報:http://www.jrniigata.co.jp/kirakira/kirakira.htm

華やいだお雛さまに逢える街
 北前船で賑わった日本海側の酒田、鶴岡、村上は、また、お雛さまの街でもあります。北前船を通じて京都や江戸から様々なお雛さまが伝わっており、全国有数のお雛様スポットになっています。元禄年間の立雛から、寛永雛、次郎左衛門雛、享保雛、古今雛まで、あらゆる年代のお雛さまが揃い、早春の北国路を華やかに彩ります。

庄内雛街道:当協会が鶴岡・酒田を中心に、庄内各地での雛展示をコーディネイトしており、早春の一大イベントとして定着しております。
町屋の人形さま巡り:昔ながらの町屋が残る村上市で、代々伝わる人形を町屋70軒の協力を得て展示しています。
やまがたの雛のみち:最上川交易でもたらされた山形県村山地域(山形市周辺の14市町村)の旧家に伝わるお雛さまを展示しています 。

※詳細情報は当サイトの「庄内ひな街道」からご覧いただけます。
庄内ひな街道

雛人形 雛人形 雛人形
酒田市 酒田 夢の倶楽「華の館」
酒田市 本間家旧本邸
鶴岡市 致道博物館

雛人形 雛人形 雛人形
鶴岡市 龍の湯「蔵ギャラリー・氷室」
河北町 紅花資料館
村上市 九重園


終わりに
 芭蕉はその後岩船、中条と立ち寄り、舟で新潟まで向かいます。さらに弥彦、出雲崎と南下を続け、金沢、永平寺と旅を続けた後、大垣でこの旅を閉じます。

 全2400キロにも及ぶ長旅の中で、出羽路は特別の意味を持つ道程であったようです。俳諧における「不易流行」の理念がまとめられ、晩年にかけて到達する「軽み」の芽生えなど、芭蕉が得たものは限りなく大きかったようです。彼の人生そのものが、この旅を通して成就されたといっても過言ではないでしょう。長旅を終えたときの芭蕉の胸中を想い測る術はもちろんありませんが、無事に旅を終えられたことへの安堵感、感謝とともに、彼の俳諧に対するおもいや考えを、この旅で一つの形にできた悦びに心の底からひたっていたのではないでしょうか。
 芭蕉の夢の足跡をたどりながら、今は昔の自然溢れる人情の里、不思議の國の「現代・おくの細道」を歩いてみませんか。




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